資料作成が苦手なシステムエンジニアのためのドキュメントデザイン研修

はじめまして。エンジニア歴4年目のhodaといいます。

現在、私は研修センターの講師として新人研修を担当しています。

以前は現場にてシステム開発を行っていました。

今回は先日私の方で企画した社員研修についての記事を書かせて頂きます。

はじめに

みなさん、システムエンジニアが一番使うツールといえば何を思い浮かべますか?

Eclipse……? Visual Studio Code……? はたまたサクラエディタ……?

いやいや、なんと言ってもExcelでしょう!

という事でExcelやPowerPointを用いた資料作成の研修を行いました!!

きっかけ

以前の現場では要件定義から参画しており、要件定義書や設計書といった資料を作成することが多々ありました。

当時作成した資料をチームリーダーにチェックしてもらったときに、「フォントがバラバラ」「図形が揃っていない」といった指摘を受けました。

加えて、顧客に見て頂いた時にも「よくわからない」「伝わりにくい」といった感想もしばしば( ;∀;)

K先輩

確かにシステムエンジニアとしてドキュメントを初めて作成する時は手探り状態(-_-;)

若手時代はよくボコボコにされた記憶があります( ;∀;)

そこで資料作成のデザインについて勉強してみたところ、自分の勉強不足と同時にエンジニアのデザインに対する認識の薄さも強く感じたので、今回の研修を企画してみました。

デザインとは?

「センスのある人がやるもの」「デザイナーがつくるもの」というイメージをする方が多いかもしれませんが、実際はそうではありません。

デザインは人に物事を伝えるための技術であり、自己表現の手段であるアートとは大きく異なります。

きちんと物事を伝えるために情報を設計することがデザインなのです。

資料を作成するにあたっては、「誰」に「何」を「どのように」伝えるかを考える必要があります。

今回の研修では主に「どのように」の部分である見せ方にフォーカスしました。

デザインの4原則

資料の見せ方を考えるにあたり、参加メンバーにまずはデザインの4原則を知ってもらいました。

デザインの4原則とは「ノンデザイナーズ・デザインブック」に記載されている、以下の4つになります。

  • 近接 … 関連する項目をまとめてグループ化する
  • 整列 … 各要素を意図的に整えて配列する
  • 反復 … 視覚的な特徴を繰り返し使う
  • コントラスト … 目立たせたい要素に区別をつける

これら4原則をシステム開発で作成するような資料例をもとに説明して、上記イメージを掴んでもらってから、名刺作成の課題に取り組んで頂きました。

名刺を作成するうえで何が一番大切か、そしてどのようにすれば伝えたい情報が伝わるかを考えて各々名刺をデザインしてもらいました。

名刺作成例

K先輩

各参加メンバーは試行錯誤しながら、名刺の作成を行っていましたね!

普段あまり意識せずにドキュメント作成している人にはとても良いトレーニングになっていたと思いますε≡≡ヘ( ´Д`)ノ

発展的な内容

先ほどの4原則を踏まえたうえで発展的な内容として、以下の観点で解説を行いました。

  • フォント
  • 文字組
  • 図解
  • レイアウト
  • 配色

資料の一部です。スライドは全部で100枚弱作成しました。

最後に弊社の新入社員紹介に用いる自己紹介シートをネタに参加社員に以下の点を意識して、課題に取り組んでもらえるよう進めました。

  • 新入社員の何を知りたいか
  • 社員の特徴をどのように伝えるか

以下は今回の研修で実際に作成したものになります。

hoda

人となりを知れる項目をピックアップしていて、4原則の近接を意識したデザインですね!

hoda

名前の先頭の文字を変えていて目を引くデザインになっています。

全体的にシンプルで伝わりやすいです!

おわりに

日々の業務に追われてデザインなんて気にする余裕はないと思うかもしれませんが、資料作成も多いエンジニアにとってそこを意識することはとても重要なことではないでしょうか?

今回の研修を通して「人に物事を伝える技術」を高めてもらえたら嬉しいです。

また、本研修を作成するにあたって以下の本が非常に参考になりましたので、紹介させて頂きます。

興味のある方はこちらも見てみてはいかがでしょうか。